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評価:
高見沢俊彦
EMIミュージック・ジャパン
¥ 1,000
(2007-07-04)
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五十歳をとうに過ぎても「長髪+金髪」を崩さず、
デビュー三十年を過ぎてもビジュアル&サウンドでの攻めの姿勢を崩さない。
そんなオッサンが日本にいます。
はい。「高見沢俊彦『王子』」です。
ご存じ「THE ALFEE」のリーダーにしてギタリストです。
変形ギタービルダー&ホルダーとしても、世界的に有名です(!)。
その「王子」が、久しぶりにソロシングル&アルバムを出しました。
上でご紹介しているのはシングルの方です。
作詞が、氣志團の綾小路翔センセイってのも話題ですが、アンサンブル(演奏者陣)の豪華さも話題です。アルバムに至っては、作詞家陣もバラエティに富んでいて実に楽しい。
「千年ロマンス」は、とりあえずテレビで観ただけですが、歌謡曲チックなれどかっちょいいリフ(曲中で主として繰り返されるメロディのこと)を聴いて、「あ、コピーしてみたい」って思いました。
気がつけば、アルフィーにハマってから、もう20年にもなるんですね。
20年前の彼らから、今の彼らなど想像できませんし、
10年前、いや、5年前の彼らからも、今の彼らを仮定することすら難しい。
「次に、何をやってくれるか判らない」
だからこそ追っかけ甲斐のある人たちなんだと思うわけですね。
それとともに、彼らが....特に「王子」が....年を追うごとに、自分に素直になって、やりたいことをどんどんやっているのが判るのです。
「ああああその歳でまだ金髪してるかぁ?」とか、「おいおいそんなテンポの速い曲ライブじゃ再現できねぇだろぉ?」といった邪推や揶揄をものともしません。それどころか、歳を重ねれば重ねるごとに、ますます自由になっていく気がする。
還暦の彼らは、どのようなライブをやっているのか。
そのときのオーディエンスの年齢層はどうなっているのか。
今から楽しみで仕方ありません。
よくよく考えてみれば、
高見沢王子の生き様も「自分発見&解放」の歴史なのですね。
「アルフィー(ALFEE→THE ALFEE)」という枠を維持発展させることだけに必死になっていた頃から、明らかに内省的だった時代を経て、「アーティストって、自分がすべてだから。そうじゃないとやってらんねぇ」と言い切る(「別冊カドカワ」のインタビューにて)までに吹っ切れて、素の自分の姿をさらしてもよしとする今に至るまで。
今の私がちょうど、それまでに作り上げて(作り上げられて)きた「自分像」を崩しにかかっているところなので、その先のあり方を示してくれているような気になるのです。