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評価:
渡辺 淳一
集英社
¥ 1,155
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ここにご紹介する「鈍感力」。
以前、「純ちゃん」こと小泉元首相が、
今の内閣や党の首脳陣に言った言葉として有名になりました。
最初私は、「あれ? 先月『純ちゃん』が言ったばっかなのに、
もう本屋に並んでるわ」と驚いたものです。
まあ、著者が日経の朝刊に連載小説を書いていたセンセイですから、
速攻で筆を進めたとしてもおかしくはないかな....と。
ですが、改めてコトの順序を確認してみると、
この本の出版が先で、それを読んだであろう「純ちゃん」が、
改革を進める者の心得として使った....というのが真相のようです
(あ、皆さまとっくにご承知でした?^^;)
ある日、本屋に立ち寄ったとき、立ち読みしてみました。
が、2〜3分で「あ、いいわ、別に買ってまで読まなくても」と、
平積みの台に本を戻している自分がいました。
今(2007年春)の自分にとって、この本は、
新品&定価で買うほどの、魅力的な文章でも考え方でもありません。
図書館で借りて読むか、古本屋で安値で買うか、それぐらいならいいかな、と。
おそらく、人並み以上にヒューマンスキルやコミュニケーションスキルが身についていると
自負される方でしたら、「流し読み数分」で「全体として言わんとしていること」は酌み取れるでしょう。
私は、たかだか数分の立ち読みを通して、
日本人が「他者に対して敏感すぎる」という前提があればこそ成り立つ、
「受けとめ方の転換」を、実例を挙げつつ促した一冊なのかな、と受け取りました。
「最後は、信ずるところ、我が道を、選び取って進んでいけ。
そうすれば、他が繊細さの囚われになって死屍累々とする中でも、
望む成功(平穏、健康、など)を手に入れられるであろう」
以上、おわり、みたいな。
元首相こと「純ちゃん」が使ったとして有名になった「鈍感力」ですが、
それとは別に、「純ちゃん」本人が語り/思い/信じる「鈍感力」を、
「純ちゃん」なりの言葉で披瀝してもらいたいと思います。
そちらの方が、「人間模様、現代史のウラ話」として読むに値する一冊に
なるんじゃないかな....と、思うのであります。
ゆえに結局、「鈍感力」は買わずじまいだったのですが、
その本が置かれている周辺に目をやると、あることに気がつきました。