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評価:
ジェームズ・アーサー・レイ
¥ 2,100
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前回の投稿から49日が経過していました。
自分としてはそんなにご無沙汰をしていた記憶はなかったのですが、「49日」と数字で示されると「ああら、ずいぶん書いてなかったわねえ」と思い知ります。
この間何をしていたか。
仕事面では4月頭から「社内待機」状態が続いています。要するに「仕事がない」。
それでもまだ会社に「食わせていただいている」だけましな方なのかもしれません。
とはいえ、精神的にはいいことはありません。
プライベートでは、久々に鉄道趣味を再開してみたり、しばしご無沙汰だった方々と再会してみたり。
あとは友人の結婚披露パーティーにも出ましたっけ。うーん、人柄の伝わるパーティーでしたなぁ。
こちらの方はまずまず充実しています。あ、そういや正月に帰れなかった実家にも帰りましたっけ。
が、総体としては、仕事面での不振に引きずられて「どうもうまくいってないねぇ」というのが正直なところです。
じゃあせめて心や魂にはできるだけ栄養を与えてやらねばということで、読書には時間をかけるようにしています。
というわけで、現在読んでいるのが、冒頭にご紹介した一冊です。
著者の名前と顔、どっかで見たよなぁと思われた方。その勘は正しいです。
映像作品「ザ・シークレット(The Secret)」において、マスターの一人として登場していた、あの方です。
実際この本には、「ザ・シークレット」で引用した寓話がいくつか使われています。
しかしこの本を実際に手に取られた方は判るでしょう。
「な、なんて分厚い本なんだ」
600ページを超える大著。
他の「引き寄せ系」の本だとせいぜい300ページ台。それでも「他のよりは分厚いなぁ」なんて思ったものですが、それを遙かにしのぐ分量です。
何ゆえこれだけの紙数を要するものになったのか。
現在まだ百数十ページを残している状態ですが、考えてみました。
最大の理由は「引き寄せの作用と反作用」について、丁寧に解説しているからでしょう。
「ザ・シークレット」では、引き寄せの「オモテ」の面に多くの時間を割いており、「ウラ」の解説にはあまり力が入っていません。
1時間半というフォーマットではこの程度が限界だったのでしょう。また、大衆にとっては目新しい「引き寄せの法則」の入門編のような位置づけですから、メリットの方を強く押しておくのは当然といえましょう。
で、本書は、入門者がいずれはたどり着くであろう一冊ですので、著者自身が体験し痛感している「デメリットと、それへの対策」についても詳しく記されています。
「引き寄せの法則」には、それ自身には「良い/悪い」を判断しないという特質があります。
心の中で(顕在的/潜在的を問わず)強くかつ頻繁に念じている思いを実現するのですね。
ゆえに「ザ・シークレット」では、「いいことだけを心の中に置くようにする」と記していますし、本書でもその基本線は変わりません。
しかし、「その『いいこと』って、本当にあなたにとって『いいこと』なの?」と、著者は問いただします。「世の中に流通するまがいものであったり、親世代や社会から明に暗に押しつけられたものじゃないの?」と。
ならばどこに答えを求めるべきなのかというと、「自分自身(の理性や魂)」ってところへ帰ってくるのですが。それをきちんとやってますか?と、要所要所で確認を入れています。
もう一つの理由は、「甘いばかりじゃない、実は自分にとても厳しい」のが、引き寄せを極める道なんだと訴えているからです。
自分の中で望ましい状態を想像(→創造)して体験する。
それを手放し天に委ね、感謝する。
どんな形であれ、その結果を受けとる。
「なんだ、自分が欲しい状態にただ浸っていればいいんじゃないの?」という都合のいい思い込みを、著者は何度も戒めています。
「想像(創造)」の後のことを想像(!)すれば、言わんとするところは解るでしょう。
まずは「手放す、委ねる」ことがなかなかできない。
自分で思い描いた結果に執着してしまう。「いつ叶うか」「どんな形で叶うのか(自分の思ったとおりに叶うんでしょうね?)」などなど。
ましてや「感謝」など、結果が出てもいないのに、どうして? てなものでしょう。
さらに、結果を「受け取る」ときにも。
自分が思い描いていたものとは違う結果を得たときに、「こんなはずじゃない!」「こうなりたくって引き寄せたんじゃない!」と、反発したくもなるかもしれません。
では、どうあるべきなのか。ヒントは本書にも「ザ・シークレット」にもあります。
「自分がすることは、結果の叶った状態にすっかり入り込み、既に結果が叶ったと感謝する」
→天は、その「感謝」の気持ちに応え、「じゃあ、その感謝を得られる状態をつくってあげよう」と動き出す。
「受け取ったものの中には、自分の成長にとって必ずためになる要素が含まれている」
→それを生かすも殺すも自分次第。もしも成長のために生かせるとしたら、きっとそこでも感謝の念が湧いてくるはずである。
これらを日常生活で貫徹することは、(今までそうした訓練を受けてこなかったからですが)正直難しい。
しかし、少しずつでも「想像(創造)→感謝→受け取り」のサイクルを回す時間を増やしていくことで、物質的にも精神&魂的にも大きく成長していくのです。
そして、三つ目の理由は、「真の豊かさは、バランスの取れた状態でこそ、実現される」という著者の主張に従い、次の5分野についてそれぞれ「引き寄せ」を記しているからです。
・おカネ
・人間関係
・精神
・物質
・スピリチュアル
簡単な例を挙げると「お金持ちなのに、心や人間関係がすさんでいる人」「とってもスピリチュアルなのに、現実の生活は貧しく苦しい人」「モノには満たされているが、それらに追い回されてしまっている人」....。
こういうのを「豊か」だって言えるのか?と問うています。
これらが高い次元でバランスしている状態を「本当に豊かな状態」だと言っており、人として生きているのならばその状態を目指せと訴えているのです。
そして引き寄せの対象も、これら5つについてもれなく含めておくべきでしょう。
言い換えれば、「ある目標を達成したときに得られる状態は、先の5つの分野に照らし合わせてみてどうなのか。どれも満足できるものになっているのか」を十分検討してみる価値がある、ということです。
今の自分の内的状態は、一体何を訴えようとしているのだろう?
今自分が置かれている状況は、自分のどのような内面を反映したものなのだろう?
今自分が置かれている状況から何を得られるだろう?
引き寄せの法則の大前提は「自分の内面が、自分を取り巻く世界をつくる」ですから、折に触れてこれらの問いを自分自身にしてやることが必要です。
また、「自分を取り巻く世界に対する自分の心構えを変えることで、自分の内面が変わっていくし、それにつれて今度は世界の方が変わっていく」ともいえます。
正直、ここ1ヶ月あまりの自分を振り返ってみると、現実の生活で自分を追い込むことで必死になっていたなと思います。
明らかに「何かを試されている」、そんな感覚はありました。
しかし、その「何か」が何なのかを、現実の生活から一歩下がって検討することはできていませんでした。
どんな状況に自分が置かれても、自分の平静さを保ち続けることができる。
心と魂のエネルギーを燃やし続けることができる。
それをテーマに日々を過ごすことで、きっと今後の自分に役立つだろうと信じたい。
なぜなら、今までが「自分の外界に揺るがされて生きてきた」人生だったから。
大きな目標を持つ者として、「揺るぎない境地」を持つことは必須だと感じるから。
残り百数十ページ、今日中に何とか読み終えて、自省の時間をしっかり持ちたいと思います。