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評価:
水島 広子,バイロン・ケイティ
創元社
¥ 2,310
(2007-07)
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まずはご紹介しているこの本。
「4つの質問」と「ひっくり返し」により、シンプルにして衝撃的、かつ見事に、人間の認知の歪みを自覚させるメソッドを紹介しています。
<4つの質問>
・それは本当ですか?
・それが本当だと、絶対に言い切ることができますか?
・その考えを信じると、あなたはどうなりますか?
・その考えがなければ、あなたはどういう人になりますか?
<ひっくり返し>
・その考えの「主語」「目的語」「肯定/否定」などを転換してみる。
・それにより、あなたはどのような感覚を覚えますか?
(元の考えを抱いているときと比べてどうですか?)
・ひっくり返した後の考えが、元の考えと同じくらいかそれ以上に
本当であることを示す、三つの実例を挙げてみてください。
これ....見事に、NLPの「メタモデル」「メタプログラム」や「(制限となる)ビリーフ」が盛り込まれています。
NLPerにも興味を持って読んでいただける一冊ではないかと思います。
さて本題です。
去年の秋にリリースされ、今でも私の心の中では "Best of Love Song" に君臨している曲があります。
Innocent Love (THE ALFEE)
※参考記事:
(第29話)愛はいつでもそばにあるもの 気づかぬうちにそっと輝く
この1年の間、私の中では、この曲に対するとらえ方(認知)が大きく変遷していきました。
(第一段階)「特定の誰かさん」を重ね合わせていた
これはよくある話ですね(^^;
歌詞を読んでいただければ判るように、この曲では「あなた」という単語が、呼びかけの対象として使われています。
その当時私は、ある人のことを「この人とだったら!」とものすごく思い入れておりました。
当然ながら私は、この曲の「あなた」を、思い入れていた人だと信じ切って、聴くたびにリソースフルな状態に浸っていたのでした。
(第二段階)「不特定の誰か」だと思えるようになったら?
(第一段階)での思いは、諸般の事情(!)から、その当時には叶わないことが明らかとなりました。
しかし私は、この曲には「ひと組の愛し合う人同士」を超えた可能性があるなと思い始めたのです。
つまり、この曲でいう「あなた」とは、「いまこの瞬間、私と同じくこの地上に生きる人すべて」のことである....というリフレームができるのだと。そうすることで、「Innocent(無償の;無条件の)Love」なるタイトルの本質に、より深く近づけるのではないかと。
そして、このリフレームによって得られた予想外の効果は、(第一段階)で自分の中に抱いた「あの感覚」を、喪失したのではなく、昇華することができたということです。
歌詞の中には「奇跡の絆が 二人を巡り逢わせた」とか、「何気ない月日の積み重ねが 二人を強くさせる」なんて言葉もありますから、そちらにとらわれると、まず(第一段階)の解釈しか生みようがないでしょう。
しかしその「二人」とは、自分が生きていく中で出逢うすべての人だととらえ直したときに、言葉の持つ意味や力がぐっと広がりました。もしかしたら、作者である高見沢俊彦「王子」の思惑以上に。
これが、つい最近....いや、今日のある瞬間まで抱いていたとらえ方です。