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Robert Dilts
Meta Publications,U.S.
¥ 7,136
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"sleight of 〜" で、「巧妙な早技」「巧妙なトリック」といった意味があります(ジーニアス英和辞典第4版より)。
なので、さしずめ "Sleight of Mouth" は「言葉の巧みな早技」とでもなりましょうか。
要は、「言葉を使って人の意識を一瞬で変える(そのためのテクニック・パターン集)」というのが、冒頭にご紹介したロバート・ディルツ氏の著書で綴られているものです。
さらに言えば、「意識を変える」ということで、リフレーミングの種類を列挙したものとも言えます。
ロバート・ディルツ氏の分類では14種類ですが、他の方の分類だともっと多くなることもあるようです。
# "Sleight of Mouth" について、詳しくより精緻な情報をお求めの方は、
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宮越大樹氏のセミナーを受講されることをお勧めします。
# "Sleight of Mouth" をテーマにしますので、そちらを受講されてもよいでしょう。
14種類....そのすべてを以下に列挙します。
自分ならどのパターンを使って声を掛けるだろうか、どのパターンを言われたときに受け取れるか/受け取れないか、などなど、味わいながら読んでみてください。
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「ガンに罹ったら死んでしまう」という言葉(信念)に対して....
1.肯定的意図
「誤った期待を持ちたくないんですね。しかし、そのことがあらゆる希望を遠ざけているんじゃないですか?」
2.語彙の再定義
「ガンではなくて、免疫システムが機能しなくなることが、死につながるんですよ。だから、免疫システムについて考えてみましょう」
3.信念がもたらす結果
「そんな風に考えていると、他の可能性を切り捨てて、言っているとおりになりますよ」
4.語彙の具体化
「ガン細胞ひとつひとつがもたらす死の確率はどれくらいかなって、私は考えるんです」
5.語彙の抽象化
「システムの一部の変化が、必ずシステムの崩壊をもたらすとでも言いたいのですか?」
6.メタファ
「羊の数が少ない牧草地は、雑草で荒れてしまう(といいます)。あなたの身体の中には白血球という羊がいて、それが増えることで、ガンという雑草は減っていくのです」
7.フレームサイズの拡張
「もしみんながそう信じていたら、治療法は見つかりませんよね。あなたの大事な人にも、そう信じてもらいたいですか?」
8.アウトカムの転換
「何が死をもたらすかではなく、何が人生を生きる価値のあるものにするかが問題なんじゃないですか?」
9.異なる世界モデル
「多くの医者は、変化した細胞はいつでも(身体の中に)あるけれど、免疫システムが衰えたときにそれが問題となる、と言っています」
10.実体験化
「そのことについて、具体的にどのように、自分の中で感じているのですか? 自分の中でどんな風に描いているのですか?」
11.反例の提示
「現実には、ガンを克服して何年も健康で暮らしている人がいますよ」
12.価値基準(クライテリア)の順序づけ
「人生がどれだけ続くかよりも大切なことは、人生の目的や使命に意識を向けることじゃないでしょうか」
13.信念の自己適用
「この信念は(放っておくと)ガンのように広がって、致命的なものになるでしょうね。では、これが死に絶えたとしたらどうなるでしょうね?」
14.メタフレーム(現在の信念を作り出した認知の枠組み)
「人生はさまざまな要因によって成り立っています。そのすべてを検討できないことが、単純化された信念を生むんでしょうね」
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いかがでしたか?